前期原生代研究

 2016年から中央アフリカ・ガボン共和国の地層を対象に本格的に研究を始めました。地球生命研究所の佐藤友彦研究員と共に地道に進めています。年代や化石に関する論文をちらほら書けるようになってきました。最近の学会発表はこのガボンの前期原生代試料を用いたものが多いですが、今後数年はこの研究に集中していこうと考えています。

研究対象地域:


時代背景

 前期原生代(25-16億年前)は大気海洋の大酸化事変や真核生物化石の初出などによって特徴づけられる。この時代の生命は全て海洋内に生息していたと考えられるため、この生命進化には当時の海水組成変化が対応していた事が予想される。海水中の酸化還元状態に鋭敏な微量金属元素濃度は生物活動を左右しうる重要な要素であるが、その経年変化はほとんど分かっていない。前期原生代海水中の微量金属元素濃度の経年変化を明らかにすることが私の目的である。


ガボンの前期原生代地層

 前期原生代研究の対象地としてガボン共和国の地層を選定した。最近の研究により、真核生物と解釈される化石が他地域よりも早く堆積した岩石中に含まれるからである。ガボンの前期原生代地層は下位からFA~FEの5つのユニットから構成され、FBユニットの中には真核生物化石やマンガン鉱床が含まれる。

 ガボンの前期原生代地層に対する絶対年代の制約は十分とは言えないため(要はいつ堆積した岩石か分からない)、まずは地層に年代を入れる事から始めています(Sawaki et al., 2017)。

 現在UC Davisにて重金属元素の同位体比測定を始めていて、上記目標達成のために研究に励んでいます。



【前期原生代研究に関する業績】

論文題名:Growth, Duplication and Lateral Mutual Compressive Deformation of Akouemma hemisphaeria on the Seafloor of Okondja Basin at 2.2 Ga (Gabon)

著者名:Edou-Minko, A., Moussavou, M., Sato, T., Sawaki, Y., Ndong Ondo, S., Maire, R., Fleury, G., Mbina-Mounguengui, M., Kaestner, A., Ortega, R., Roudeau, S., Carmona, A., Mvoubou, M., Moussavou, B. M., Sasaki, O., Maruyama, S. 

雑誌名・巻・頁・発行年:International Journal of Geosciences (IJG), 8(9), 1172-1191, 2017.

 

論文題名:An Akouemma hemisphaeria organic macrofossils colony hosting biodiversity assemblage on the seafloor of Okondja Basin (Gabon) dated at 2.2 Ga

著者名:Edou-Minko, A., Moussavou, M., Sato, T., Tchikoundzi, C., Sawaki, Y., Ndong Ondo, S., Ortega, R., Maire, R., Kaestner, A., Mbina Mounguengui, M., Roudeau, S.,  Fleury, G., Carmona, A., de Parseval, Ph., Mvoubou, M., Moussavou, B. M.., Agondjo, M. O., Sasaki, O., Maruyama, S.

雑誌名・巻・頁・発行年:Journal of Geology and Geophysics, 6(2), 1-21, 2017.

 

論文題名:Chronological constraints on the Paleoproterozoic Francevillian Group in Gabon

著者名:Sawaki, Y., Moussavou, M., Sato, T., Suzuki, K., Ligna, C., Asanuma, H., Sakata, S., Obayashi, H., Hirata, T., Edou-Minko, A.

雑誌名・巻・頁・発行年:Geoscience Frontiers, 8(2), 397-407, 2017.